昭和十四年七月三十日2018年07月29日 14:38


昭和14年7月30日の絵日記

お兄様のれんたいへ電話をかけて今日面會が出來るかどうかきいてみると、お兄様はもう外出なさったといふのでお姉様と私とでバスの所までおむかへに行った。まもなくバスがきてお兄様がおりていらっしゃった。お兄様がおきかへになるとすぐ朝御飯にした。軍服の肩をみると星が三ツになってゐた。すんでから涼しいベランダで色々の話に花を咲かせた。※ 

晝からお兄様はお出掛けになったのでトランクを出していたゞき勉強道具などをつめた。お兄様は三時頃かへっていらっしゃった。 

お話をしたりねたりして晩御飯がすんでから九時頃れんたいへおかへりになった。外まで見おくっていらっしゃったお母様が「火星が見えますよ」とおっしゃったので急いで外へ出てみると東南の空に赤い光をまたゝいてゐるのが見られた。

 軍人の長兄が外出許可で自宅へ帰ってきた。・・・平成20年、母の記述より

昭和十四年七月三十一日2018年07月29日 14:46


昭和14年7月31日の絵日記

もう明日輕井沢へ行くので朝からにもつをこしらへた。 

私の自轉車も今日運送屋さんが來て持って行くので早くこしらへてもらふやうにたのんだがとうとうまにあはないので出來上がったら送ってもらふことにした。着物を行りに入れて運んだりした。 

夜八時頃からひどい雨と一しょに雷がなり出した。私は九時にねたが目をさす稻光、それと一しょに聞こえる雷の音、雨の音などが耳について中々ねられなかった。