昭和十七年十二月三十日2020年05月17日 15:31

十二月三十日 
 
 今日からは御料理だ。

  いつもの様にお座敷をさうぢしてゆふべからの水につけておいた寒天を火鉢にかける。

  今年のおこんだては物資不足の折からあんまり品数も多くはない。その上、ガス節約である。

  寒天は白いアラレを浮かした赤い寒天である。

  練炭火鉢※にはオサツの鍋がプウプウ湯気を吹いてゐる。それを裏ごしして半分はきんとんにして殘る半分はウメ、キク、ソラマメの形にして寒天の液をかけた。何だかとてもきれいでたべたくなった。そのほかに、かまぼこに色をつけたり、ダテ巻を切ったり煮豆をお重に入れたりして大いにいそがしかった。



※練炭火鉢  朝着火すると一日中炊事に使えるし、暖房にもなるので重宝だった



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